天藍の篆刻・別館

小さな石と、刻む文字  感じる景色、託す想い


「スタッフ日記」

今年から運営に携わっている金沢文庫芸術祭。そこでのスタッフへのお題「スタッフ日記」芸術祭に参加するきっかけをここに書く事にした。
ただしちょっと長文。
スタッフ日記
なぜ金沢文庫芸術祭に参加するのか

 9.11のあのおぞましい事件が起きるほんの数分前、まったくの偶然なのだが、私は何気なくテレビをつけた。臨時ニュースが流れ始め、目が離せないまま時間と共に次々に飛び込んでくる凄まじい光景に吐き気を覚えた事を今も鮮明に思い出す。人が、人が造ったもので、人が築いたものを破壊して、人を殺す。破壊が破壊を呼び、人を飲み込んでいく。崩れていく人工の膨大なマスの前に人は余りに無力だった。そこにそれぞれの人としての個は瓦礫と一緒に押し潰された。



 ちょうど師から表立っての活動を許されたばかりの私は、2004年の金沢文庫芸術祭に出展者として初めて参加した。しかし、そのきっかけが「平和のために何ができますか?」と言う問いかけであったのは間違いない。その問いかけに対して思った事、それは・・。「石のハンコ・ワークショップ」で、自分の名前、あるいはその一部を自らの手で石に刻んでもらう。自分の名前に改めて向き合い、名付けてくれた親や家族に少しでも思いが至るきっかけになってくれたら嬉しい。そうして自分や自分につながる人の事を大切に想うことが、平和と言う大きな世界を実現するエレメントの最小単位としてあるのではないか。あまりに大きく遠い世界の前に無力感を覚えるのではなく、自分自身が最小単位としての個という立場からアクションを起こしてみよう。それが今の自分にできる事だ。指先程度の小さな石に名前を刻む、たったそれだけでも決してゼロではないのだから。それはもしかすると、子を持つ親の気持ちの延長のようなものだったのかもしれない。子を思う気持ちはきっと、平和というものをリアルにとらえ実現を祈る、最小単位の持つ最大の原動力のひとつだろう。

 ・・とまあ、金沢文庫芸術祭に参加するきっかけはそんな事だった。今、私は芸術祭を運営する人たちの間に、この身を置く空間を分けていただいている。初めて出会った時は戸惑ってしまった程に、この金沢文庫芸術祭に対してとにかくまっすぐに取り組む間違いなく素敵な人たち、一度イベントに参加しただけのどんな人間かも判らぬ私を快く迎えてくれたあたたかな人々の間に、だ。そこにささやかな経験が役に立つなら、喜んでやればいいじゃん、な〜んて思いつつ芸術祭のホームページを書いたりしているのである。
  1. 2005/03/07(月) 10:42:02|
  2. 想い|
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コメント

初コメント

こんちわ、柴田です。ブログ拝見させて頂きました。次回のデニーズでは、こんな話もしたいですね。
  1. 2005/03/17(木) 15:57:04 |
  2. URL |
  3. シバショウ #/VpxmBbc
  4. [ 編集]

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